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コラム

キッチン

シンクに落ちた食べ物は食べられる?身体への影響や対処方法について解説

普段生活をしていて、うっかりシンク内に食べ物を落としてしまうことはあるかと思います。落ちた食べ物を洗って食べるのか、捨てるのか判断に迷う方は多いでしょう。シンクの衛生環境によっては、食中毒につながる恐れもあります。ここでは、身体への影響や対処方法を解説します。

シンクに落ちた食べ物はどうすべき?

  • 調理中に食材をシンクに落としてしまうことはよくあります。その際にどう処理すべきか判断に困りますよね。ここからは対処方法についてご紹介します。

生物であれば注意が必要

  • シンク内に落ちたものが火を通したもの、あるいはこれから火を通すものであれば、食べることは可能で、身体への悪影響は低いといえるでしょう。


    ただし、生物を落としてしまったときには、注意が必要です。実際に生肉の原材料についていた食中毒の原因菌が、シンク内でサラダ用の野菜や他の食材に付着することで、食中毒となった事例もあります。


    シンクであっても他の調理器具と同じく、生肉・生魚といった原材料をあつかった後は、きちんと洗浄・消毒・滅菌をしましょう。直接食べるサラダや調理済み食品を取り扱う前にもシンク内の衛生環境をしっかりとチェックしましょう。

食中毒には注意

  • シンク内で食材が汚染され起こる食中毒は過去に事例として報告されています。以下、飲食店や給食施設で起きた2件の事例を紹介します。


    飲食店
    ・原因の施設はそば屋
    ・患者数は102名
    ・原因となった食材は、ワカメおよびカマボコで、そばの具材となったもの
    ・病因物質は「腸炎ビブリオ」
    ・発生の原因
    冷凍えびの解凍、乾燥ワカメの水もどし、カマボコの細切り、具材を入れる容器の洗浄を同一のシンク内でしていたことによる。冷凍えびに付着していた腸炎ビブリオがスタッフの手やシンクに触れることでカマボコやワカメに付いた疑いがあった。


    給食施設
    ・原因の施設は食堂
    ・患者数は445名
    ・原因となった食品は、学生食堂の食事ならびに弁当
    ・病因物質は「腸管出血性大腸菌O157」
    ・発生の原因


    スタッフの手洗いがきちんと徹底されていなかったこと、調理器具の分別や滅菌が不十分だったこと、調理器具の保管場所が間違っていた、また生野菜と食肉の処置をするときにシンクを共用していたことが原因として疑われました。


    食中毒を防止するコツ
    では、食中毒を避けるためには、どのような対策を立てればよいのでしょうか。以下、主な対策法をご紹介します。


    ・シンクが2つあれば、用途と食材によって分別する、シンクを1つしか用意できないときは、サラダや生野菜など、非加熱の食材を事前に調理しておく
    ・シンク内部に直接食材を触れさせない
    ・使った後のシンクはよく洗い、定期的に滅菌をしておく


    2番目の注意点について、具体的に生野菜を水さらしにするときは、専用ボールとザルを使ってシンク内に食材が直接触れないように注意しましょう。


    3番目の注意点について、生野菜を取りあつかう前に入念に洗い流し、十分に水分を切った後、滅菌していきましょう。

ぬめり予防の掃除も肝心

  • 日々食材をあつかう中で、どうしても食材カスは残ってしまいます。しかし、それをそのまま放置してしまうと、ヌメリとなって食中毒につながることも。


    仮にシンクを使用したあと、入念に清掃しても、滅菌が十分でないとヌメリを取り除くことが難しいでしょう。ここでは、ヌメリを取り除く方法とヌメリを防止する方法についてご紹介します。


    ヌメリを取り除く方法


    ・キッチンハイターを使用
    シンクのぬめり除去と菌類の消毒を併せてしたいとき、キッチン専用のハイターがおすすめです。次亜塩素酸ナトリウムを成分にもつ塩素系のハイターならば、しつこいヌメリ汚れをきっちり落としながら除菌も可能です。


    ヌメリや細菌が残りやすいマナ板、包丁、フキン、キッチンスポンジを浸けおきすれば、高い滅菌効果を望めます。また、とりわけヌメリが気になる排水口のゴミキャッチャーや三角コーナーに対しては、バブルタイプのキッチン専用ハイターが良いでしょう。


    スプレー噴射するのみで長い時間汚れに接着するバブルタイプなら清掃のひと手間もかかりません。きちんと浸透させるならキッチンペーパーを使用し表面を覆うのがおすすめです。


    塩素系のハイターを使うときは換気を徹底し、ゴム手袋を装着の上、製品表記の濃度とつけ置きの時間に従うことが大事です。使い方をあやまると、シンクのステンレス部が腐食してしまうこともあるので気をつけましょう。


    ・重曹・クエン酸を使用
    強めの塩素系ハイターを使用したくないときは、重曹とクエン酸を使用する方法が良いです。通常ヌメリは酸性の油汚れが主なので、アルカリ性の重曹で中和すれば汚れを洗い落とすことが可能です。


    シンクや三角コーナー、排水口といったヌメリが目立つ箇所に重曹の粉末をふりかけ、その上からクエン酸を注いで泡を出していきます。汚れを浮き上がらせるために、20〜30分ほどそのままにしてから40℃程度の熱湯ですすぎます。


    ちなみに、クエン酸の代わりにお酢を使用することもできます。ただ、重曹には除菌効果がないので、食中毒を防止するために清掃後にアルコールスプレーを使用して除菌してください。


    ヌメリを防止する方法


    ・正確な清掃法を知っておく
    食中毒のもととなる病原体の発生を抑制しながらヌメリを清掃するために、正確な清掃法の順番を理解することが重要です。


    はじめに、排水口のゴミキャッチャーには、食材カスを排水管へ流さないための網ネットを装着しましょう。伸びやすいストッキングタイプのネットならば、目も細かいので、わずかなゴミ汚れもキャッチしてくれます。


    ネットを換えるときは、同時にゴミキャッチャーも清掃しましょう。中性洗剤と用済み歯ブラシ、スポンジでこすりヌメリを清潔に洗い落としてください。ハイターを使用した強めのお手入れは、週に1度くらいを目安に状況に応じておこなうのが良いでしょう。


    ・排水口専用のヌメリ除去剤を使用する
    とりわけ、ヌメリが目立つ排水口に対しては、市販のヌメリ除去剤を入れておくと良いでしょう。排水口のゴミキャッチャーにくくりつけておくタイプのもので、1か月くらい効力が続く製品が購入できます。


    また、効力が2か月間くらい続く、排水口のゴミキャッチャーの上部におくフタ型もおすすめです。両方とも塩素系の他に中性タイプもあるので、期待する効力や使いやすさにより選べます。


    ・銅の製品を活用する
    しつこいシンクのヌメリが気になっている場合、銅製のゴミキャッチャーや三角コーナーの使用も検討しましょう。銅は表面に抗菌効果をもつ金属なので、ヌメリを予防するだけでなく食中毒のもととなる黄色ぶどう球菌や大腸菌O157に対する効力も立証されています。


    このような効力はハイターのような薬剤とは異なり持続するものなので、交換する手間や常に買わなければならないコスト負担を軽減できるでしょう。


    ネックとなるのは、ステンレス製品よりも価格が高いこと、ハイターによってサビが生まれやすいので、吊り下げるタイプの塩素系ヌメリ除去剤が使用できないことです。

まとめ

  • 今回は、シンクに落ちた食べ物が食べられるのかを解説してきました。


    また身体への影響や対処方法についても具体的に触れました。実際にシンクに食材が落ちたときに対処するイメージをつかんでいただけたのではないでしょうか。食中毒は身近に起こりうることであり、注意が必要です。


    まずは、シンク内を常にきれいに保つことから始め、ヌメリを発見したらすぐに清掃する習慣をつけていきましょう。ぜひ今回ご紹介した、ヌメリ取りとその防止策も試してみてください。

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