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トイレ
トイレのレバーが戻らない!空回りする時の複数原因と対処方法
長年トイレを使っていると、ある日レバーが戻らないといった不具合に会う機会も増えるかもしれません。
しかし、トイレの構造は思った以上に複雑で、適切に対処するのは難しいものです。
この記事では、トイレのレバーが戻らず空回りする時の複数原因と対処方法について解説していきます。
トイレのレバーが動かなくなる複数原因
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トイレ水槽の中身をのぞいてみて、下記の項目をチェックしてみましょう。各パーツの状態を確認し、不具合があれば解消していきます。
経年の老朽化によるレバーの損傷
トイレレバー本体に問題があるとき、レバーがスムーズに回らなかったり戻りの反応が遅くなったりします。腐りによる老朽化でレバーが壊れて戻らなくなっているケースは、レバーハンドル本体を取り替えましょう。
レバーが錆びついている、汚れのたまり
錆が原因でレバーの動作が悪くなっている場合、耐水ペーパーを用いて錆や汚れを除去してみてください。耐水ペーパーは水で濡らし磨くことで、研磨の効力が上がります。水アカなどの汚れが付いているときは、洗剤などを用いて水洗いするといいでしょう。
レバーのナット締め付けが強すぎる、あるいはゆるすぎる
トイレのレバーを取り替えるとき、ハンドルを固定するナットの締め具合が的確でないと、レバーが動作しない、あるいはゆるくなります。レバーの動作が鈍い場合は、レバーを固定するナットの締め付けを調整してみましょう。
レバーが空回りする時の応急処置
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レバーが空回りする時の応急処置として、以下のポリバケツの水を勢いよく注ぐ方法があります。
床にタオルを敷く
ポリバケツの水を便器に注ぐとき、水が便器から溢れることもあります。その際、床が水浸しにならないように、タオルを敷いておくと安心です。
ポリバケツに水を注ぐ
バケツ内に8ミリリットル前後の水を入れます。水を注ぐ作業は2〜3回に分けて実施します。よって容量が多いポリバケツが最適です。
ポリバケツ内の水を半量注ぐ
ポリバケツに水が溜まったら、便器に水を注ぎ、勢いをつけて水を注ぎたいところですが、あまりにも急激に注ぐと水が跳ね返ります。よって、水を注ぐときは、水が跳ね返らないくらいの勢いで注ぎましょう。
残りの水を注ぎ込む
水を半分量ほど入れて便器の水量が減ってきたら、再度水を注ぎましょう。これで作業は終了です。
壊れたトイレのレバーハンドルを自分で修理・取り替える方法
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トイレのレバーの取り替えは、自分でもできます。自分で取り替える際は、新品の取り替えレバーの他、次の工具が必要です。マイナスドライバー、モンキーレンチ、潤滑油、使い捨て手袋。
潤滑油は取り替え時にレバーの軸のところに油を注入できるので、動作がなめらかになります。くわえて、作業中は手が汚れたり怪我したりする危険があるので、使い捨て手袋などを着用するといいでしょう。
トイレレバーはホームセンターやネットショップでも購入できます。使用中のメーカーサイト内で製品番号を調べて、同製品を見つけましょう。トイレレバー本体は、1,000円〜2,000円程度で購入できます。
トイレレバーの取り替え方法
トイレレバーの取り替え手順は以下の通りです。
問題箇所を確かめる前に止水栓を閉める
トイレ水槽から水が溢れないように、止水栓を閉めておきましょう。止水栓を閉めることで、トイレ水槽への水の供給を止められます。通常、止水栓はトイレ水槽から壁に接続される給水管に設置されています。
止水栓が見つからないときは、便器下部のいずれかの側面部にパネルがあり、その内部に止水栓が設置されている場合があります。一度確かめてみましょう。
止水栓の閉める手順は以下の通りです。
・マイナスドライバーを溝に差し当てる
・右側回りに回す
もし止水栓を見つけられないときは、元栓を閉めます。ただ、元栓を閉めると家全体の水が止まるので注意してください。
止水栓か元栓を閉めたら、問題箇所を確かめるためにトイレ水槽の蓋を開けます。ナットで蓋や手洗い管が固定されている種類のトイレもあります。その際は蓋を持ち上げてナットを外してください。
もし止水栓が固くて回せない場合はサビ落としを使用し、滑らかにしましょう。
トイレの蓋を開ける
トイレの蓋を持ち上げましょう。トイレ水槽が陶器製の場合、落とすと割れやすいです。持ち上げるときは慎重におこないましょう。
また、トイレ水槽内に蛇腹ホースという管があるとき、手洗い管と蛇腹ホースを接合するナットを取り外す必要があります。その際は2人以上で作業をしましょう。
水抜きする
あとの作業をスムーズにするために、トイレ水槽内の水を抜いておきます。水の抜き方は、フロートバルブにつながる鎖を上に引っ張るだけなので簡単です。鎖を引っ張るので、トイレレバーが動かなくてもトイレ水槽内の水が抜けます。
トイレレバーを取り外す
トイレ水槽内の水を抜いたら、トイレレバーを外していきます。通常トイレレバーはナットで固定されています。よって、モンキーレンチを用いて取り外してください。
ナットが外れたらすぐにレバーを引き抜きます
トイレレバーにあるゴムパッキンの状態を確かめる
レバーのつなぎ目にはゴム状のパッキンがついているので、取り外す際に状態を確かめておきます。トイレレバーから水漏れしている場合、ゴムパッキンが老朽化しているかもしれません。
その場合は新品のパッキンに買い替える必要があります。トイレのレバーを買い替えると同時に、ゴムパッキンの状態も確認してみてください。
トイレレバーを付ける
トイレレバーを付けるときは、外したときと逆の段取りでおこないます。レバーを差し込むときは、レバーの方向が逆にならないように慎重におこなってください。
鎖を付けて動作するかチェックする
レバーに鎖を付けたら、フロートバルブを設置してトイレ水槽の底部分にある排水弁を覆います。つづいてトイレの蓋を所定の位置に戻し、止水栓を開きます。
止水栓を開くと、ボールタップが開いて水がトイレ水槽内へと流れ込みます。トイレ水槽内に水が満杯になったら、試しにレバーを回して正常に動作するか確かめてみましょう。
また動作の確認をする項目は以下の通りです。
・レバーが正しく動くか
・フロートバルブが確実に開閉するか
・レバーが所定の位置に戻るか
・レバーから水漏れしていないか
・便器に流れる水量が適切な量か
・トイレの手洗い器から水が流れるか
上記すべてが正しく動けば、トイレレバーの修理・取り替えは終了です。
トイレレバーの故障を放置するのは危険
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トイレのレバーが長い期間所定の位置に戻らないとき、水がみるみる流れ出てきます。そのときの水漏れが直径3ミリほどの流水量であれば、60分で15リットルもの水が漏れるといわれています。
仮に住居が東京であり、水漏れ修理を終わらせるために5時間かかった場合、水道費用は1万4,725円になります。算出方法は以下のとおりです。
基本料金+従量料金=水道料金なので、1,170円+1万3,555円=1万4,725円となります。
(東京都水道局の水道料金・下水道料金の計算方法(23区)参照)
東京在住の場合、直径3ミリの水漏れを修理するのに5時間かかったケースでは、その水漏れにかかった水道料金は1万4,275円です。
この計算式に従えば、水漏れを5時間そのままにするだけで水道料金がおおよそ1万5,000円もかかってしまいます。かなり厳しいですよね。
したがって、水漏れを発見した場合は、直ちに対処するのが最善の方法です。とても重要な情報なのでメモしておきましょう。
まとめ
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この記事では、トイレのレバーが戻らない・空回りする時の複数原因と対処方法について解説してきました。トイレレバーが戻らなくなる原因は今回紹介したケースであることが多いですが、他の原因が関わってくるケースもあります。
場合によっては取り替え作業も必要になってくるので、本記事内の取り替え方法も参考にして対処してみてください。