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井戸のポンプが壊れたら?自力での修理方法も解説
井戸ポンプを使おうとしても水が出ない場合は、どのような原因が考えられるのでしょうか。
本記事では井戸ポンプの故障原因と自分で修理する方法、業者へ修理を依頼する際の注意点などを細かくご紹介します。
万が一のトラブルに備えておきたい方や、実際に井戸ポンプが故障してしまった方は、参考資料のひとつとして本記事をお役立てください。
井戸ポンプの故障原因は?
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一般的に井戸ポンプが故障する原因は以下の3つが考えられます。
井戸水が凍結している
井戸ポンプの劣化・故障
井戸内部の詰まりや砂の堆積による地下水量の減少
具体的にどのような症状なのか見ていきましょう。
■井戸水が凍結している
冬期間に井戸水が使用できなくなってしまった場合は、井戸ポンプ内、もしくは配管内の井戸水が凍結している可能性が考えられます。
配管には断熱材を巻いていることが一般的であるため、滅多なことでは凍結しにくいとされていますが、記録的な大寒波が到来した場合は状況が異なり、凍結する可能性があります。
気温上昇と共に凍結は自然解消されると同時にトラブルも解消されることがほとんどです。
■井戸ポンプの劣化・故障
凍結する季節でもないのに水が出てこない場合は、井戸ポンプ自体の故障を疑いましょう。水流が以前よりも低下した場合も井戸ポンプの劣化・故障が考えられます。
井戸ポンプに経由する配管が原因であれば清掃を実施することで正常に稼働します。
しかし、井戸ポンプが劣化・故障している場合は、故障パーツの交換や修理が必要になります。
■井戸内部の詰まりや砂の堆積による地下水量の減少
井戸には地下水を取水するための穴があり、開いている管をストレーナーと呼びます。このストレーナー部分が目詰まりすることによって水流が減少することがあります。
ほかにも、地下水によってせき上げられた砂が井戸底を堆積することによって、水位自体が浅くなり、水が減少する・出にくくなることがあります。
井戸のポンプを自力で修理するには?
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井戸ポンプを自力で修理することは、非常に高度なスキルが必要になります。
DIYが普及する中で、ご自身で修理したいと考える方も多いですが、その際は細かい流れについてしっかりと把握しておくことが重要です。これらを理解した上で修理する場合は、以下のような流れで修理を実施しましょう。
■修理の流れ
まずは井戸につながっている塩ビ管を塩ビカッターで微調整を取り入れながらカットしましょう。少しずつ抜いたら、2本の塩ビ管を同時に引き抜きましょう。
このとき、井戸ポンプのコンセントは必ず抜いておきましょう。塩ビ管の最下部にあるジェット部分まで引き抜けたら、配管撤去作業は終了です。
引き抜いた塩ビ管と同様の長さで調整した新しい塩ビ管を用意し、井戸に挿管します。このとき、塩ビ用接着剤などを使って密着させることが重要です。
密着させた塩ビ管+ジェットを先ほどの穴へ挿管します。塩ビ管をつなぎ、挿入、つなぎ、挿入を繰り返し、最初と同じ場所にジェットが定着すればあと一歩です。
新しい塩ビ管をつなぐことで従来の長さよりもやや長くなります。この場合は適宜調整しましょう。井戸蓋を元に戻し、パイプ支持金具で固定すれば完了です。
井戸のポンプを自分で修理する時にあると便利なもの
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井戸ポンプを自分で修理する際、あると便利な物についてご紹介します。
井戸ポンプ本体一式
塩ビ継手(エルボ含む)
塩ビ管用接着剤
シールテープ
防食シール材
塩ビ管カッター
レンチやスパナ
ドライバー
保温材
ビニールテープ
ハンドドリル
電動式のレンチやドライバー
滑り止めが付いた軍手
電動工具などがあることで簡単にネジを回したり取り外したりできます。自分で修理することを考えている場合には、電動工具の購入をおすすめします。
また、一人で行うことは非常に困難です。長さが20mほどの水道ポンプ用塩ビ管を使うことから、2人、または3人がかりで行う方が安全です。井戸ポンプの修理経験がある人が周囲にいる場合は、相談しながら作業を進めていくことができるため、大きなトラブルを防ぎながら設置できます。
井戸ポンプの修理を業者へ依頼するときは?
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井戸ポンプの修理を業者へ依頼する場合は、現在設置している井戸ポンプの種類を把握することが重要です。というのも、井戸ポンプにはいくつかの種類があり、それぞれ構造がまったく異なります。
そのため、どのタイプの井戸ポンプを使用しているかを把握していなければ見積もりが困難です。あらかじめどのようなタイプの井戸を設置しているかを把握し、業者に修理を依頼することが望ましいといえるでしょう。
井戸ポンプは主に4つの種類があります。
浅井戸ポンプ
深井戸ポンプ
深井戸ジェットポンプ
深井戸水中ポンプ
ご自宅に設置している井戸ポンプの種類を把握し、修理時の相談に活用してください。
■浅井戸ポンプ
浅井戸ポンプは岩盤下にある水をくみ上げるタイプの井戸です。
大気圧を活用して水をくみ上げることから、地表から水脈まで8m以上離れている場合に取り扱うタイプです。ストローで飲料を飲む原理と同様の仕組みです。
■深井戸ポンプ
深井戸ポンプは浅井戸ポンプでは対応できない水面に設置する井戸ポンプです。
深井戸ポンプには、深井戸ジェットポンプと深井戸水中ポンプがあります。
深井戸ジェットポンプは給水管で吸い上げるタイプであり、可能な高さまでジェットポンプによって水をくみ上げる構造です。一般的には地下水の水面〜地上まで8m〜20m程度までの深井戸に設置します。
モーター、電装、制御部といった基本的な操作部分は地上にむき出しの状態であり、井戸の中には吸込管、圧送管を組んだジェット部分を設置します。深井戸ポンプの中でもポピュラーなタイプです。汎用性が高く、多くの方が利用しているのが特徴です。
ただし、深井戸ジェットポンプを設置する場合は、井戸のそばに設置することが基本であるため、離れた場所に設置することは難しいといえます。
深井戸水中ポンプはポンプ部分を井戸水中部に設置するタイプの井戸ポンプです。井戸水の地上〜水位が8m以内の浅井戸ポンプ、水位が8m〜20mの深井戸ポンプといったタイプとは異なる種類で、20m以上の井戸でも対応可能といった特徴があります。
一度に多量の水を得られ、その水量は同出力のジェットポンプのおよそ2倍といわれています。なお、威力が高いことからその稼働音も気になるといったデメリットもあるため、住宅街などでの利用は不向き。
ただし、別荘地などといった市街地から離れた場所での利用には最適な井戸ポンプです。
まとめ
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井戸ポンプの故障原因と自力で修理する方法、そして井戸ポンプの種類についてご紹介しました。井戸ポンプと一口にいっても、その数には4種類あり、構造がまったく異なります。本記事で紹介した修理方法は一例であるため、すべての井戸ポンプに応用できる物ではありませんから、注意が必要です。自力で修理することは、業者でも高いスキルと経験を要することから、あまりおすすめできないといえます。井戸ポンプの故障原因の追求や、修理を検討する場合は、できる限り専門業者に依頼することが望ましいです。自分で修理し、大きなトラブルにならないためにも、まずはご利用の井戸ポンプの種類を把握し、専門業者に問い合わせてみてはいかがでしょうか。