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台所の排水口が流れない原因は?トラップについても解説
普段何気なく使い続けている台所。きちんと手入れしているはずなのに、気付けば水の流れが悪いと感じることも少なくありません。
もしかするとその原因は排水口が詰まっているせいかもしれません。本記事では排水口が流れない原因、排水トラップのはたらきと構造についてご紹介します。
台所の水が詰まりかけている場合や、完全に詰まってしまった場合は参考資料のひとつとしてお役立てください。
排水トラップとは?はたらきと構造を解説
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排水口トラップと一口にいっても、実はいくつかの種類があることをご存じですか?排水トラップには以下のような種類があります。
■ワントラップ
一般住宅の台所で使用される排水トラップ。排水管にお椀のような形の素材をかぶせ、フタをするような構造で、簡単に取り外せるため誰でも手入れが可能です。
清掃を怠ればヘドロ状のぬめりが蓄積し、水流が悪くなる可能性もあります。また、固形物が引っかかってしまうと、水をせき止めてしまうこともあるため、定期的な清掃が必要です。
■Sトラップ、Pトラップ
排水トラップがS字状、またはP字状になっていることからこのような名前が付いています。小さいタイプの排水口の場合はいずれかの排水トラップです。
どちらも曲がった形状のため、詰まりやすいというデメリットがあります。
それぞれのトラップにはメリットがありつつも、固形物が詰まってしまうと取り出しにくい、せき止めてしまうといったデメリットがあることがわかります。
これはNG!排水口が流れなくなる原因
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排水トラップの構造がわかったら、次はどのような原因から排水口が流れなくなるのかを見ていきましょう。大きな原因は3つあります。
■油汚れが蓄積している
台所の排水口が詰まる原因としては、鍋やフライパン、食器などに付着した油汚れによる蓄積があります。しっかり油を処理していたつもりでも、毎日使用することで表面上に残った油分が排水口や排水管に蓄積し、水や冷えなどによって硬着します。
油分などで硬着した汚れはそのうち肥大化することから詰まりが生じてしまうのです。
■ゴミ受けカゴを適切に使用できていない
三角コーナーやゴミ受けカゴを設置していても、熱湯や経年劣化などの歪みから形状が変化し、適切に設置できていない可能性があります。こういった原因によって隙間からゴミが排水口・排水管に流れ込み、水流の低下・詰まりが生じます。
■固形物がせき止めている
毎日台所を使用すれば清掃することが一般的。
しかし、清掃中に細かなゴミだけでなく、つまようじやわさび、からしなどのフタ、食材のカスなどといった固形物が流れ落ちている可能性もあります。固形物はどの排水トラップもせき止めてしまう原因となりますから、強い水流で流し出すことができず、かえって強くはめてしまう可能性があるため、修理や分解清掃が必要になるケースも少なくありません。
台所の排水口つまりを解消するには?
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台所の排水口詰まりを解消するためには、日常生活を送る上で以下の3つに注意する必要があります。
・油汚れは適切に処理する
・適切なサイズのゴミ受けを設置する
・固形物の有無を確認する
・洗剤や掃除アイテムを取り入れた清掃を普段から心掛ける
■油汚れは適切に処理する
油汚れがひどい食器や鍋、フライパンは、すぐに洗うのではなくティッシュ、キッチンペーパー、新聞紙などを使用して、しっかりと拭き取りましょう。
そうすることで最小限の油汚れのみが下水へ流れるようになり、蓄積する心配がありません。また、少量であればお湯に溶けやすく流れやすいため、長年使用していてもせき止めるほどのサイズに硬着する心配がありません。
■適切なサイズのゴミ受けを設置する
経年劣化や熱湯によってゴミ受けがゆがんだり変形したりしている場合は、そのまま使い続けるのではなく、新しいものと交換しましょう。最近では100均でも販売していますから、出費を抑えて新しいものへと交換できます。
ただし、新しいゴミ受けに交換する場合は、自宅のゴミ受けのサイズを計測してから購入するようにしましょう。サイズの合わないゴミ受けを使用すれば、現状と変わらず、さらに大きな食材カスなども流れてしまいます。
現状よりも排水管が詰まりやすくなるため、修理や分解が必要になる可能性もあります。
■固形物の有無を確認する
油汚れの心配がなく、さらにゴミ受けも正規のタイプを使用している場合は固形物の有無を確認しましょう。
上述したように、ワントラップの場合は自分でも取り外すことができるため、構造をしっかり把握していればすぐに確認できます。固形物が確認できる場合は手で取りだし、お湯で全体をすすぎ洗いしましょう。
ただし、SトラップやPトラップの設置された住宅の場合は、いずれも曲がりくねった形状であることから素人目では判断しにくいため、業者に現状を見てもらう必要があります。
■洗剤や掃除アイテムを取り入れた清掃を普段から心掛ける
定期的に排水口周りのメンテナンスを実施するのも効果的です。
週に一回、または2週に一回のペースで洗剤や掃除アイテムを取り入れて排水口周りの掃除を実施しましょう。その際、状態によってふさわしいアイテムがあるのでご紹介します。
排水口が詰まりかけていたり、なんとなく水流が遅いと感じたりする場合は、ゴミ受けの隙間から落下した食材カスや油汚れが蓄積し、ヘドロ状になっている可能性があります。
このような場合は、パイプクリーナーを使用したり、ラバーカップなどを用いて圧力を掛けて汚れそのものを水流で流したりしてみましょう。ただし、固形物がある場合はパイプクリーナーでも解決できません。
また、固形物がある場合にラバーカップを使用すると、圧力によって排水管にはまってしまい、水流を塞いでしまう可能性がありますから、これらのアイテムを使用する場合は、固形物の有無を確認してから実施しましょう。
固形物がなく、油汚れが蓄積し、水流をせき止めている場合は、高圧洗浄機やワイヤーブラシなどを用いて、物理的に汚れを除去しましょう。この二種類はワントラップ、Sトラップ、Pトラップどれでも対応しているため、どのご家庭でも気軽に清掃できる方法です。
ワイヤーブラシはホームセンターでも手に入れられるものなので、主婦でも気軽に掃除できるアイテムです。万が一の排水口詰まりに備え、ワイヤーブラシやラバーカップを常備すると安心です。
排水口の詰まりは業者へ依頼するのもアリ
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排水口のどの部分で詰まりが起きているのか確認できなかったり、分解しなければわからなかったりする場合は、水道業者に依頼するのも方法のひとつです。
なぜなら、素人目で判断したことによって、かえって水漏れが生じてしまったり、今よりもひどい状況に陥ったりする可能性があるからです。とくに一人暮らしの女性であれば、初めての排水口詰まりなどが起きればどこを見ればよいのかわからず、対処に困ってしまうこともあるでしょう。
水道業者に依頼することで、専門知識の元、適切な処置を実施しますから、心配な方は速やかに水道業者へ現状を問い合わせてみましょう。
まとめ
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気付けば水流の勢いが悪くなったり、詰まったりしてしまう排水口。固形物や食材カスには気を付けていても、なんらかの拍子で排水管などに詰まっている可能性も考えられます。
本記事では排水トラップの種類と構造についてご紹介しましたが、自分で確かめることに不安を抱く場合は水道業者に依頼しましょう。素人目では判断の付きにくい場所でも、専門的な知識の元、的確な修理・処置を行います。
現状が確認できず、原因が追及できかねる場合も、水道業者に依頼することがマストです。水漏れや大きな修理にならないためにも、不安な方は水道業者に問い合わせてみるとよいでしょう。