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ベランダでプールを楽しむ際の注意点と正しい設置方法【水道職人:公式】
近年、ご自宅で過ごす時間が増えた影響もあり、お子様とのレジャーとして「ご自宅のベランダでビニールプールを広げて水遊びをする」というご家庭が増えています。
特別な設備を用意しなくても、ベランダにビニールプールを設置するだけで手軽に涼を楽しめるのは、大きな魅力です。
しかしその一方で、ベランダでのプール利用には、住居構造や水まわり設備の観点から、注意しなければならない点が多くあります。
「ベランダなら大丈夫」と思い込んで使用すると、思わぬトラブルにつながることも少なくはありません。
今回は、ベランダでビニールプールを設置する際に押さえておくべき注意点と、安全に使用するためのポイントをご紹介します。
お子様の夏の楽しみを安全に守るためにも、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ベランダにプールを設置するメリットと背景
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まず、なぜベランダでプールを使用したいというニーズが増えているのか、その背景から考えてみましょう。
ベランダでプールを使用する大きな理由は、ご自宅に庭がないマンションやアパートでも水遊びを楽しめるという手軽さにあります。
比較的小さなビニールプールでも十分に遊べる場所として、ベランダが注目されています。
また、外出せずに楽しめる点や、お子様を監視しやすいこともメリットです。
感染症対策などで公共のプールやレジャー施設に行きにくい時期にも、ベランダでのプールはご自宅レジャーの選択肢として支持されています。
とはいえ、マンションやアパートなどの集合住宅のベランダは、基本的にこうした用途を想定して設計されていないことが多く、構造や設備面で注意すべきポイントがあります。
ベランダでプールをする際には、トラブルを起こさないための対策が必要です。
ベランダでのプール使用によって発生する主なトラブル
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本項では、起こりやすいトラブルをご紹介します。
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階下漏水
もっとも多いトラブルは、ベランダから溢れ出したプールの水が階下に流れ落ちてしまうというものです。
ベランダには排水溝がありますが、その排水能力には限界があります。バケツ一杯程度なら流せても、ビニールプールに溜めた大量の水を一気に流すと排水溝が処理しきれず、水が逆流したり、階下のベランダに流れ込んでしまったりしてしまうことがあります。
最悪の場合、下階の室内まで水が侵入し、床や壁紙に損傷を与えるケースもあるため、非常に注意が必要です。
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排水溝のつまりによる溢水(いっすい)
もうひとつのトラブルは、排水溝のつまりです。
ベランダは屋外にあるため、日常的に落ち葉や砂ぼこり、小石などが溜まりやすい場所です。
定期的に掃除をしていないと、排水溝がつまってしまい、プールの水が流れにくくなります。
その結果、プールの水がベランダに溢れ出し、壁や建物構造部に水が染み込んでしまう可能性もあるのです。
また、ベランダから溢れ出して階下のベランダに干している洗濯物を濡らしたり、道を歩いている人に向かって水が流れていき大けがをさせてしまうこともあるでしょう。
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建物構造への悪影響
プールに溜めた水の重さも軽視できません。
1リットルの水は約1キログラムの重さがあり、仮に100リットルの水を入れたプールなら約100キログラムの荷重(かじゅう)がかかります。
ベランダの構造によっては、こうした局所的な荷重が構造部に過剰な負担を与える可能性があるでしょう。
築年数が古い建物やベランダの床が劣化している場合は、床のひび割れ、撓(たわ)み、最悪の場合にはベランダが破損してしまうリスクもあります。
プールの使用前に確認しておくべきこと
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ベランダでビニールプールを使用する前に、管理規約や排水溝の排水能力などを確認しておきましょう。
これらの確認は、トラブルを未然に防ぐためにとても大切なことです。
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管理規約の確認
マンションやアパートなどの集合住宅にお住まいの方は、まず「管理規約」や「使用細則」を確認しましょう。
物件によっては、「ベランダでの水遊び禁止」や、「大量の水を流す行為は禁止」といった明確なルールが定められていることがあります。
管理規約に反して使用した場合、近隣トラブルや損害賠償の原因となる恐れがあります。
管理規約や使用細則に記述がない場合には、事前に管理会社、管理人、オーナーに確認を取っておくと安心です。
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排水能力のチェック
プールを使用する前には、必ずベランダの排水溝の状態を確認してください。
ゴミや泥、落ち葉などが溜まっていないか、実際に水を流してスムーズに排水されるかを点検しておくことが大切です。
排水に問題がある場合は、掃除をしてからプールの設置に取りかかりましょう。
この際、掃除後にもう一度排水能力をチェックしておくことで、不安なくプールを使用できます。
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プールの大きさと水量
広い庭と違い、ベランダはスペースや耐荷重に限界があります。
ベランダで使用するプールは、なるべく小型で浅めのものを選ぶようにしてください。
また、水の量は必要最小限に抑えるのが基本です。
お子様が安全に遊べる程度の水位にとどめ、深く水を張らないようにしましょう。
ベランダで安全にプールを楽しむためのポイント
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ベランダでプールを楽しむために、ベランダの養生を行ったり、プールの使用後は排水口を掃除したりしてください。
これにより、今後もベランダでプール遊びを楽しめます。
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プールの使用前に養生する
ベランダの床を保護し、階下漏水を予防するために、厚手のマットやレジャーシートをプールの下に敷くことをおすすめします。
この処置は、床面の保護だけでなく、滑り止めとしての効果も期待できるでしょう。
また、排水溝の近くにもタオルや雑巾を配置して、水の広がりを抑えるようにすると安心です。
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排水はゆっくり行う
プール使用後の排水は、一気に流さず、少しずつを徹底しましょう。
バケツで水をすくって数回に分けて排水する、もしくはポンプやホースでゆっくり排出する方法が有効です。
排水溝が目詰まりしている状態で一気に水を流すと、前述の通り溢れや逆流の原因になります。
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使用後の掃除も忘れずに
プール遊びが終わった後は、ベランダ全体の水を拭き取り、排水溝にゴミがつまっていないか確認してください。
その後しっかりと掃除を行うことで、階下漏水や排水溝の劣化を防ぐことにもつながります。
ベランダでプールの前に!水まわりのプロが伝えたい重要なポイント
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ベランダでプールを使用する際には、水まわりの管理と構造的な理解が欠かせません。
とくにマンションやアパートなどの集合住宅では、排水溝の構造が戸建住宅と異なることがあり、水を扱う際にはより慎重な対応が求められます。
私たちかながわ水道職人では、排水溝やベランダの排水トラブルにも数多く対応してきた経験があります。
プール設置に伴う水まわりの不安がある場合は、かながわ水道職人などの水まわりのプロの点検やアドバイスを受けることも選択肢のひとつです。
また、排水溝のつまりや水漏れが発生してから対処するのではなく、「水を大量に使用する前の予防的メンテナンス」こそが、被害を未然に防ぐ鍵となります。
プールを使用する前に、排水の状態を必ず確認するようにしてください。
夏の楽しい水遊びを安全に楽しむために
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ベランダでのプール遊びは、お子様にとって楽しい思い出となるだけではなく、ご家庭での夏のひとときを彩る素敵なレジャーです。
だからこそ、安全面や住宅への影響を正しく理解し、トラブルを防ぐ意識が求められます。
水は生活に欠かせない大切な存在ですが、使用方法を誤ると家屋にダメージを与えるリスクや、近隣トラブルに発展するリスクを伴います。
水まわりの管理を怠らず、正しい方法でプール遊びを楽しみましょう。
また、ベランダの排水溝に不安がある場合や、水の流れ方に異変を感じたときは、お早めにかながわ水道職人にご相談ください。
水まわりのプロに相談することも、安全で快適な夏のレジャーのために必要な措置です。