スッポンを使用してトイレのつまりを解消する方法を紹介 -かながわ水道職人 -神奈川県の水道修理、お風呂、トイレ、台所の排水管のつまり修理

スッポンは、トイレやキッチン、洗面所などの排水管のつまりを除去する道具で、“ラバーカップ”ともよばれます。
柄の先にあるゴム製のカップを排水口に当てて、カップの中の空気を押し出して真空状態をつくり、一気に引き抜くことでつまりを解消します。

なお、スッポンで解消できるのは、トイレットペーパーや排泄物など、水に溶ける物がトイレにつまっている場合です。
水に溶けない物のつまりに対して使用すると、かえって状態が悪化するおそれがあります。
こうしたケースでは水道修理業者に依頼し、異物を除去してもらいましょう。

スッポンには主に３種類の形状があり、ご自宅のトイレに合う物を使用することで、つまりをスムーズに除去できます。
ここでは、以下のそれぞれの特徴を順に解説します。

スッポンの種類
・和式トイレ用：おわん型
・洋式トイレ用：突起付き型
・節水トイレ用：ツバ付き型

和式トイレ用：おわん型
和式トイレ用のスッポンには、おわん型のカップが取り付けられています。
古くから使用されている、もっとも一般的な形状がこのタイプです。

和式トイレの大きな排水口に使用するため、ゴム製のカップの面積が大きくなっています。
また接地面が平らなので、トイレだけでなく、キッチンや浴槽の排水口にも使用できます。

洋式トイレ用：突起付き型
洋式トイレ用のスッポンは、カップの中央部分に円柱状の突起があるのが特徴です。
洋式トイレの排水口は和式トイレよりも細く、奥まった位置にあるため、このような形状となっています。

洋式トイレのつまりを解消する場合、和式用のスッポンでも効果を得られますが、洋式用のほうが吸引力に優れています。


節水トイレ用：ツバ付き型
節水トイレ用のスッポンは、排水口の独特な形にフィットするよう、カップの縁にツバが付いています。
正しい向きで使用することで、トイレのつまりを効果的に除去できます。

なお、節水トイレ用のスッポンは和式と洋式のどちらにも使用できる形状なので、スッポン選びに迷った際にはこのタイプを選ぶとよいでしょう。

スッポンを使用する際に必要な準備を行い、トイレのつまりを効果的に解消しましょう。
準備しておきたい内容は、以下の通りです。

スッポンでトイレのつまりを解消するための準備
・止水栓を閉める
・温水洗浄便座（ウォシュレット）の電源プラグを抜く
・便器の周りに新聞紙やビニールシートを敷く
・便器内の水位を調節する

止水栓を閉める
作業前に止水栓を閉めることで、洗浄レバーを誤って回した際に水が流れるのを防げます。

止水栓とは、トイレに流れる水の量を調節する開閉装置のことで、トイレタンクの周辺や床に設置されているのが一般的です。
ハンドル式の場合は手で、ドライバー式の場合はマイナスドライバーで時計回りに回して閉めましょう。

止水栓の位置がわからない場合は、水道の元栓を閉めると水の供給を止められます。

温水洗浄便座（ウォシュレット）の電源プラグを抜く

トイレのつまりを発見したら、温水洗浄便座の電源プラグを抜いておきましょう。

ラバーカップを使用している際に水が飛んだり、つまりが悪化して便器から水が溢れたりすると、感電や漏電の危険があります。
このようなリスクを避けるためにも、電源プラグを抜いて安全を確保することが大切です。

また、抜いたあとのプラグにビニール袋を被せておくと、作業時に濡れる心配がありません。

便器の周りに新聞紙やビニールシートを敷く

作業中に床が汚れないよう、新聞紙やビニールシートを敷いておくと安心です。
特につまりがひどい場合は、スッポンを勢いよく引き抜いた際に汚水が飛び散る可能性があるので、数枚重ねて敷くとよいでしょう。

さらにビニール袋で便器を覆うと、より清潔に作業できます。
便器を覆ったビニール袋に穴を開けて、そこにスッポンを通すだけなので、大きな手間はかかりません。
これにより、床や壁だけでなく、ご自身に汚水がかかるのも防げます。

便器内の水位を調節する

スッポンを使用する際は、カップ部分がすべて浸る程度の水を便器内に溜めておく必要があります。

水の量が十分でなければ、排水口とカップのすき間から空気が入り、スッポンの吸引力が弱まります。
そのため、水位が低い場合は水を足すことが大切です。

反対に水位が高すぎると、作業中に便器から水が溢れ出すおそれがあるため、バケツやペットボトルで汲み出しておきましょう。

スッポンを正しい手順で使用することで、トイレのつまりを効果的に解消できます。
具体的な手順は以下の通りです。

スッポンでトイレのつまりを解消する際の手順
・手順①スッポンを排水口に密着させる
・手順②スッポンをゆっくりと押し込んで空気を抜く
・手順③スッポンを勢いよく引く
・手順④バケツで水を流してつまりが解消されたかを確認する

本項では、それぞれのステップを詳しく説明します。

手順①スッポンを排水口に密着させる

まずは、スッポンのカップ部分を排水口に当てます。
この際、排水口の全体をカップで覆い、十分に密着させることがポイントです。

カップと排水口にすき間があると真空状態を作れず、圧力が十分にかかりません。
つまりを確実に解消するためにも、排水口に対してカップが水平に当たるように調整しましょう。

手順②スッポンをゆっくりと押し込んで空気を抜く

排水口にカップを密着させたら、スッポンをゆっくりと押し込みます。
これによりカップの中の空気が排出され、真空状態を作ることができます。

スッポンを速く押し込むと、つまっている物が排水管の奥に入り込み、状態が悪化する可能性があるので注意しましょう。

なお、カップと排水口にすき間ができた場合は、カップを当てる位置をずらして再度押し込んでみてください。

手順③スッポンを勢いよく引く

スッポンを限界まで押し込んだあとは、勢いよく引っ張り、カップ部分を排水口から離します。
ゆっくりと引き抜くと十分な吸引力が得られないため、異物を引き出すイメージで力強く行うのがコツです。

つまりが解消されたら、「ゴポゴポ」という音がして水が流れます。
つまりがひどい場合は一度で解消できないこともあるため、繰り返し行いましょう。

手順④バケツで水を流してつまりが解消されたかを確認する

水の流れが改善したら、バケツの水を便器内に流し入れて、つまりが解消されたかどうかを確認します。
洗浄レバーを回すと水の量を調節できず、つまりが解消されていなかった場合に水が溢れ出すおそれがあるため、ご自身で注ぐことが重要です。

注いだ水がスムーズに流れて、水位が通常の位置に戻ったら、つまりは解消されています。
最後に止水栓を開けて洗浄レバーを回し、水の流れや水位に異常がないことを確認しておくとよいでしょう。

スッポンを使用する際は、簡単な下準備を行うことで効果をより高められます。
具体的には、以下の3つの方法があります。

トイレのつまりをより確実に解消する方法
・方法①一定時間おいてから使用する
・方法②お湯でつまりの原因をやわらかくする
・方法③食器用洗剤で便器内のすべりを良くする

方法①一定時間おいてから使用する

スッポンを使用してもトイレのつまりが解消されない場合は、しばらく時間をおいてから再度試してみてください。
30分～1時間ほど放置すると、つまっているトイレットペーパーや排泄物が水に溶けて、簡単に除去できるようになります。

なお、放置しているあいだはトイレを使用できなくなるので注意しましょう。

方法②お湯でつまりの原因をやわらかくする

便器内にお湯を注ぎ、トイレットペーパーや排泄物をやわらかくする方法も、つまりの解消に効果的です。

お湯を注ぐ際は、以下の手順を参考にしてみてください。

お湯でつまりの原因をやわらかくする際の手順
・便器内の水を汲み取る
・40～50℃程度のお湯（1～2Lほど）をゆっくりと注ぐ
・30分ほど放置する
・スッポンを使用する
・バケツで水を流してつまりが解消されたかを確認する

お湯は熱すぎると便器を破損させるおそれがあるため、40～50℃程度に冷ましてから使用しましょう。
また、スッポンを使用する際に便器内のお湯が飛び散らないよう、量を調節することも大切です。

方法③食器用洗剤で便器内のすべりを良くする

お湯を注いでも効果がなければ、食器用洗剤で便器内のすべりを良くしてからスッポンを使用してみてください。
排水口のすべりが良くなると、トイレにつまった異物が動くようになり、スッポンの効果が高まります。

食器用洗剤を使用する手順は、以下の通りです。

食器用洗剤を使用して便器内のすべりを良くする際の手順

・便器内の水を汲み取る
・排水口に食器用洗剤（50mL）を注ぐ
・5～10分ほど放置する
・スッポンを使用する
・バケツで水を流してつまりが解消されたかを確認する
この方法を実践する際は、粘り気のある中性洗剤を使用するとよいでしょう。
中性洗剤には汚れそのものを浮かして剥がす性質があり、便器の素材である陶器やプラスチックを傷つける心配がないためです。

スッポンを何度使用しても効果がない場合や、水に溶けない物をトイレにつまらせてしまった場合は、水道修理業者に依頼しましょう。

重度のつまりが発生している場合、スッポンの吸引力では除去できません。
特に排水管の奥のつまりや、水に溶けない物のつまりに対しては、水道修理業者に専門器具を用いて除去してもらう必要があります。

ご自身で無理に解消しようとすると、つまりを悪化させたり、配管を傷つけたりするおそれもあるため、プロに任せるのがおすすめです。

スッポンを使用してトイレのつまりを解消する際は、正しい手順で行うことが重要です。

まず便器内の水の量を、スッポンのカップ部分がすべて浸る程度に調節します。
そしてカップ部分を排水口に密着させて、スッポンをゆっくりと押し込んだあと、勢いよく引っ張りましょう。
これを繰り返して水が流れるようになったら、便器内に水を注ぎ、つまりが解消できているかどうかを確認します。
その際、お湯を便器内に注いでからスッポンを使用すると、効果が高まります。

スッポンでは解消しきれない重度のつまりがある場合は、かながわ水道職人にぜひご相談ください。
経験豊富なスタッフが、原因の究明からトラブルの解決まで、丁寧に対応いたします。