コラム
水回り
水道管パイプの種類ごとの特徴・交換時期・費用などを紹介
普段の生活では、水道管パイプの種類などは気にすることはありません。しかし、一旦水道のトラブルが発生すると水道管パイプの種類にて、使われる場所が異なるので修理費が変わるケースがあります。
したがって、万一のトラブル時の知識として、水道管パイプの種類ごとの特徴や交換時期、費用を知っておけば、不当な請求に騙されることがなくなります。
水道管パイプの種類ごとの特徴
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水道管パイプには、そんなに多くの種類は存在しません。鉄管(鋼管)・鉛管は昔に使われていた種類であり、現在の建物には使用されていません。
HIVP管・ポリ管・銅管・エルメックス管が、近年で使われている水道管パイプの種類になります。それでは、それぞれの水道管パイプの種類ごとの特徴を解説します。
鉄管(鋼管)と鉛管は注意が必要
鉄管(鋼管)は数十年前では、頑丈で耐震性もあるのでメインで使われていましたが、サビやすく水漏れの原因となる穴が開きやすいことから、現在ではまったく使用されていません。ただ、築50年以上の古い建物では、敷地内の配管が鉄管(鋼管)になっているケースもあります。
最も注意したいのは鉛管で「鉛でできた水道管」なので、鉛が水道水に溶け出すため身体によくありません。
おおむね昭和57年を目途に、道路内の水道管では鉛管の使用をやめており、現在では公道内の水道管では鉛管は使われていません。ただし、昭和57年以前に敷設された鉛管が、私道や敷地内に残っている可能性があります。
近年では、HIVP管とポリ管がメイン
HIVP管は水道管パイプだけでなく、配水管として道路内の水道管にも利用されています。プラスティック樹脂素材なので、サビの心配はなく加工も容易であるメリットがあります。
さらに修理費用が安いので、住宅内の色んな場所に使用されています。デメリットとしては、急激な温度変化に弱く、特に熱には弱いのでお湯を扱う給湯管には使えません。
ポリ管(ポリエステル管)は、HIVP管よりも加工しやすく熱や振動、科学物質にも強いので、HIVP管が利用できない給湯管や、複雑な場所の水道管パイプとして活躍しています。住宅内ではこのHIVP管とポリ管を、用途に合わせて使い分けして施行しています。
銅管とエルメックス管は特殊な場所に利用される
銅管は熱に強いので、給湯管として使われるケースが多いです。デメリットはポリ管のように加工が容易でなく、接続にははんだ付けが必要となるため手間がかかってしまうことです。
エルメックス管は比較的新しい素材なので、水道管パイプとして利用されるケースは少ないのが現状です。特徴は、95℃の高温からマイナス70℃までの超低温までの温度領域をカバーできるので、特殊な環境下での使用がメインとなります。
さらに、塩素水に対しての耐久性が強く、パイプ自体が酸化しにくい性質なので注目を集めているパイプです。
水道管パイプの交換時期
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水道管パイプの交換時期は、単に素材の耐久性だけで判断できないため、交換時期を断言することは難しいのが現状です。
また、水道管パイプの施行はさまざまなパーツを接合して配管しているために、工事の際の品質にもよるところが大きいことも、断定できない要因になっています。とはいうものの、これまでの実績からおおむね次のような耐久年数となるので、交換時期の目安にはなるはずです。ただし、鉄管や鉛管はすでに使われていないので、紹介から省いてあります。
・ポリ管(ポチエチレン管):施工後 約30~40年
・HIVP管:施工後 約40年
・塩化ビニール(塩ビ管):施工後 約40~60年
・ステンレス管:施工後 約40~60年
このように水道管パイプは、意外に寿命が長くそうそう交換することはありません。しかしながら、先ほど触れていますが、それぞれの水道管パイプの配管はいろんなパーツを組み合わせているので、施工不良にて圧力がかかったりして破損するケースもあります。
そう考えると、水道管パイプの交換時期は「トラブルが発生した時」が、最も身近な時期といえます。
水道管パイプの交換費用
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水道管パイプの交換費用は、交換する場所によって大きく変わってきます。単純にキッチンのシンク内の水道管パイプを交換する際には、1万円以内で済むことがほとんどです。
作業するスペースもあり、ポリ管(ポチエチレン管)など加工しやすい素材が使われているので、修理は簡単に済みます。
一方で、パイプスペース内の水道管パイプを交換する際には、大きな工事になってしまうので、交換費用は高額になります。また、敷地内に埋設されている水道管パイプを交換する際も、付帯する工事が必要になるので高額になってしまいます。
交換費用の目安の金額
交換費用の金額に幅が出てしまいますが、目安として金額を提示すると次のようになります。
・見える部分の交換費用:約1万円~1万5,000円
・見えない場所の交換費用:約10万円~30万円
・敷地内(埋設管)の交換費用:約30万円~50万円
あくまでも目安であり、壁の中の水道管パイプの交換だと、壁の補修費にクロスの張り替え代も加算されます。
水道管パイプの業者選びのポイント
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水道管パイプの交換が必要な場合は、ほとんどが水のトラブルが発生してからになります。したがって緊急性があり、精神的にもパニック状態になっていて「とにかく早く直さないといけない」しか考えられなくなっている方も多くいます。
そんな状態に付け込んでくるのが、悪徳業者なので要注意です。そこでここでは、悪徳業者に騙されないためにも、水道管パイプの業者選びのポイントを解説します。
水道局指定の工事業者を選ぶ
それぞれの自治体の水道局では「水道局指定工事店(指定給水装置工事事業者)」を認定しています。一定の資格を有しており水道工事について、それぞれの自治体の水道局から認められている業者なので、信用するに値します。
複数の業者から見積もりをとって適正価格の業者を選ぶ
水道局指定工事店(指定給水装置工事事業者)だからといって、手放しで信用するのもよくありません。まずは、複数の認定業者から見積もりをとり、適正価格な業者を選びます。最低でも3社からは見積もりをとった方が、適正価格は把握しやすくなります。
適正価格とはオプションなど一切なく、見積もり料金以外の費用が必要でない価格であり、ほかの見積もりと比べても高額でない価格のことです。一見安く見えても、オプションが発生する業者は避けた方が無難です。
まとめ
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水道管パイプには種類があり、近年ではHIVP管とポリ管がメインとなります。昭和57年以前の工事では鉛管が使われているケースもあるので、敷地内で鉛管が使われているなら健康被害も考えられるので、早めの交換がおすすめです。
水道管パイプの寿命は約20年以上と意外に長いので、交換時期はほとんどのケースで水漏れなどのトラブルが起きてからとなります。
その際には、水道メーターの横にある元栓を締めて水漏れを防いでから、最低3社以上の各自治体の水道局認定の水道局指定工事店(指定給水装置工事事業者)から、見積もりをとって発注業者を決めることが大切です。
WEBサイトでトップに表示されたから、修理費用が安かったから、との理由で業者を選ぶのは避けた方が無難です。悪徳業者に騙されないように、信頼できる業者から見積もりをとって修理を依頼することをおすすめします。