コラム
水回り
水道蛇口部品の名称と役割について解説・交換方法も紹介
水道の蛇口は定期的にメンテナンスが必要な部位です。とくに老朽化した部品の入れ替えを頻繁に行う必要がありますが、蛇口周りの部品の名称を把握している方は多くはありません。また、部品の名称はわかっているものの入れ替え方法がわからないという方もいらっしゃるでしょう。
そこでこの記事では、水道の蛇口部品の名称と役割、入れ替え方法について解説します。また、蛇口の種類についての解説や蛇口周りで発生しやすいトラブルについても解説していくため、ぜひ参考にしてください。
水道の蛇口の種類を理解する
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水道の蛇口は単水栓、シングルレバー混合栓、2ハンドル混合水栓、サーモスタット混合水栓の4種類があります。単水栓は屋外や洗濯機によく使われている水栓となっており、お湯か水のどちらかを出せます。シングルレバー混合水栓はレバー式の水栓でレバーを左右に動かすと温度を調整できます。
2ハンドル混合水栓はお湯用と水用のハンドルが1つずつ付いている水栓になります。両方をバランスよく回すことで温度を調整できます。なお、キッチンや洗面所で使用されるケースが多いです。
サーモスタット混合水栓は浴室に備え付けられている場合が多い水栓となっており、水温や水圧の急激な変化に耐えられる仕様になっています。シャワーとカランの両方がそろっている点もこの混合水栓の特徴といえます。
単水栓の蛇口部品の名称
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単水栓はハンドルビス・蛇口ハンドル・三角パッキン・蛇口キャップ・蛇口スパウト・Uパッキン・コマパッキン・スピンドルの8部品で構成されています。ハンドルビスは蛇口のハンドルを固定する部品で、水が出るものは水色でお湯が出るものは赤色をしています。
蛇口ハンドルは吐水および止水の際の水量調整を行う部品です。ひねって回すものやレバー式のものがあります。また、スピンドルは蛇口ハンドルと連動する部品で水量の調整を行います。
三角パッキンはハンドル下のナットの中に設置されているゴム製の部品となっており、水漏れを防ぐ役割があります。なお、コマパッキンは吐水口への水漏れを防止する部品で、Uパッキンは蛇口本体と蛇口スパウトの接続部分に設置されているパッキンとなります。
そして、蛇口スパウトは本体と吐水口をつなぐパイプとなっており、蛇口キャップは吐水する部品となっています。
単水栓でよく発生するトラブル
単水栓の内部部品が老朽化すると水漏れトラブルが発生します。しかし、基本的に部品の老朽化が原因で発生するトラブルであるため、老朽化部品を入れ替えすればすぐに問題は解決できるでしょう。
なお、水漏れはハンドル下・吐水パイプの付け根・吐水口の3つから発生しやすいです。そして、ハンドル下から水漏れが発生したときは、ハンドル下のナットの締め直しや三角パッキンの入れ替えを行いましょう。
また、吐水パイプの付け根から水漏れが発生した場合にはUパッキンの入れ替えを速やかに行う必要があります。吐水口からの水漏れについてはコマパッキンの入れ替えを行うとよいです。
シングルレバー混合水栓の蛇口部品の名称
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シングルレバー混合水栓はレバーハンドル・蛇口キャップ・カートリッジ押さえ・Oリング・バルブカートリッジ・スパウト・UVパッキンの8部品で構成されています。
レバーハンドルは吐水および止水の際の水量調整を行う部品となっており、蛇口キャップは吐水する部品となっています。
バルブカートリッジは水温や水量の調整を行う部品で、カートリッジ押さえはバルブカートリッジを押さえる部品となります。また、スパウトはバルブカートリッジが収まっている部品です。
なお、OリングとUVパッキンはスパウト内部に設置されているパッキンになります。
シングルレバー混合栓でよく発生するトラブル
シングルレバー水栓では、水漏れやハンドルの操作不良、吐水不良といったトラブルが発生しやすいです。こうしたトラブルは汚れや部品の老朽化が原因で発生するため、問題が発生したらすぐに掃除や部品の入れ替えを行いましょう。
なお、水漏れについては吐水口やスパウトの上下から発生しやすいです。そして、吐水口から水漏れが発生したらバルブカートリッジを入れ替えしましょう。また、スパウト周りから水漏れが起きたらO・UVパッキンの入れ替えをするとよいです。
吐水不良があるときは吐水フィルターが汚れで詰まっている可能性があるため、すぐに掃除を行いましょう。また、止水栓を回して水量自体を増やしてみるのもひとつの手です。
2ハンドル混合水栓の蛇口部品の名称
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2ハンドル混合水栓はハンドルビス・三角パッキン・蛇口ハンドル・スピンドル・コマパッキン・Uパッキン・蛇口スパウト・Oリング・蛇口キャップの9部品で構成されています。
なお、各部品の役割は単水栓やシングルレバー混合水栓と同様の内容となっています。
2ハンドル混合水栓でよく発生するトラブル
2ハンドル混合水栓では部品の老朽化が原因で水漏れのトラブルが発生します。そのため、部品の老朽化が見られたら素早く部品の入れ替えを行いましょう。
なお、水漏れは吐水口の付け根やハンドル下、吐水口から発生します。そして、吐水口の付け根から水漏れが発生したらUパッキンを入れ替えしましょう。また、ハンドル下から水漏れが発生したら三角パッキンの入れ替えを行い、吐水口から水漏れが発生したらコマパッキンを入れ替えしましょう。
サーモスタット混合水栓の蛇口部品の名称
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サーモスタット混合水栓は温調ハンドル・サーモスタットカートリッジ・スパウト・Uパッキン・吐水キャップ・切り替えハンドルの6部品で構成されています。
温調ハンドルは温度調整を行う部品となっており、サーモスタットカートリッジはお湯と水のバランスを調整する部品になります。また、切り替えハンドルについてはシャワーとカランを切り替えるハンドルとなります。
なお、スパウト・吐水キャップ・Uパッキンについては前項までで紹介した部品の役割と同一になります。
サーモスタット混合水栓でよく発生するトラブル
サーモスタット混合水栓では、水漏れや開閉ハンドルの動作不良がトラブルとして発生します。なお、こうしたトラブルは部品の老朽化が原因となっているため、老朽化した部品を入れ替えすればすぐに直ります。
吐水口から水漏れが発生したときはバルブの入れ替えを行い、スパウトの付け根から水漏れが起きたときはUパッキンの入れ替えを行いましょう。
また、開閉ハンドルが固くて開けられないときは、バルブの入れ替えを行うと動作の具合がよくなります。
付属部品の名称について
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水道の蛇口には使用方法の幅を広げてくれる付属部品があります。
たとえば、単水栓に取り付けられるニップルは給水パイプとの接続がスムーズに行えるようにサポートしてくれます。また、さまざまな水栓に取り付けられる分岐水栓は浄水器や食洗機と水栓の取り付けを補助する機能を持っています。
その他にも浴室でよく利用されるシャワーや吐水口の先端に装着される泡沫キャップなどさまざまな付属部品があります。
まとめ
水道の蛇口周りは定期的なメンテナンスをしないと水漏れといったトラブルが発生しかねないため、日頃から部品の入れ替えや掃除などを行う必要があります。
そして、今回紹介した部品の名称や役割を理解しておけば適切な対応が取れるようになります。そのため、この記事で紹介した内容をしっかりとおさらいしてメンテナンスを正しく行えるようにしましょう。
なお、蛇口周りで発生してしまったトラブルの解決が難しいと感じたときにはすぐに業者に依頼しましょう。
無理をして個人で解決しようとすると状況を悪化させかねないため、適切なタイミングでプロに頼ることをおすすめします。