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バリウムがトイレに流れない理由とは?適切な処分方法を解説
胃カメラ検査を実施した後は、バリウムが混ざった排泄物が排出されます。バリウムが混ざった排泄物はとにかく流れにくく、トイレを汚してしまうくせ者とも言えるでしょう。
この記事では、バリウムが水に流れにくい理由に合わせて、便器に付着したバリウムの処分方法をご紹介します。
バリウムが流れない理由
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バリウムが流れない理由は大きく分けて4つあります。
理由1.固まる性質であるため
バリウムは硫酸バリウムと呼ばれる金属でできています。
胃の中に取り込んだ食べ物などとバリウムが合わさると、金属製のバリウムによって通常よりも硬く固形状の便となって排泄されます。バリウムが流れにくい大きな理由としては、硫酸バリウムの性質が一番の原因と言えるでしょう。
理由2.水よりも重い性質であるため
バリウムは水よりも重い性質です。上述したように、バリウムは硫酸バリウムと呼ばれる金属でできているため、人の排泄物と混ざることで従来の便よりも重い排泄物となり、流れにくくなります。
理由3.便器や排水管に付着しやすい性質であるため
バリウムの性質上、便器や排水管に付着しやすいです。バリウムは水よりも重い性質のほか金属製であるため、水に流れきらなかったバリウムが沈むことで便器や排水管に付着し、固着を招き取れにくくなってしまいます。
理由4.節水モードによって水圧や水量が制限されているため
節水モードによって水圧や水量が制限されている場合は、さらにバリウムを流れにくくしている可能性があります。
近年では世界情勢の影響から電気料金や水道料金が高騰しています。温水洗浄便座を使用するご家庭では、少しでも光熱費を抑えようと、節水機能を高く設定して使用するケースも多いでしょう。
しかし、節水機能を高めてしまうとバリウムがしっかり流れないといった現象を招いてしまう場合もあります。
バリウムが混ざった排泄物を流すときやあまったバリウムをトイレに処分するときは、節水機能をゆるめてから流しましょう。
バリウムを流す方法
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硫酸バリウムという金属でできたバリウムが固着したり付着したりしても、きれいに取り除くことは可能です。
割り箸を使う
バリウムは水に触れると固まりやすい特徴であるため、一度固着すると簡単に取り除くことはできません。この場合は割り箸を使ってこそぎとる方法がおすすめです。割り箸で固着したバリウムを取るときは、端から削り取りましょう。
ゴム手袋、ブラシを使う
割り箸でも取れないときは、ゴム手袋を着用し、ブラシを使ってこすり取ってみましょう。ブラシを使うときも上からではなく、横から削るイメージでブラシを寝かせながら使うのがポイントです。
なお、たわしや鋭利な道具で削ろうとするのは厳禁です。陶器製の便器であるため、傷を付けてしまう恐れがあります。
ぬるま湯を使う
便器にごくわずかなバリウムが残ってなかなか流れないときは、40~50度ほどのぬるま湯を便器に流し、バリウムを柔らかくしてから取り出してみましょう。
便器の水が白く濁れば、バリウムが柔らかくなっている証拠です。バリウムが柔らかくなった様子が見られたら、割り箸やゴム手袋を着用した手で取ったり、ブラシでこすったりするときれいになるでしょう。
酸性タイプの洗浄剤を使う
固着したバリウムや、流れきらずに便器にとどまったバリウムには、酸性タイプの洗浄剤を使うのも効果的です。サンポールと呼ばれる洗浄剤は酸性タイプの洗剤なので、バリウムを取り除くのに最適です。
自宅に買い置きがある場合は、便器全体にサンポールをかけたのち、固着したバリウムにもかけて15~30分ほど放置しましょう。40~50度に設定したぬるま湯を流し入れると、きれいに取り除けるでしょう。
自然に流れるのを放置する
バリウムが固着したときや、流しても水が白く濁り、バリウムが留まっていることを確認できるときは、トイレを使用せずに一定時間放置するのもおすすめです。
特に体調が良くないときは、無理に取ろうとはせず、一定時間放置しましょう。気温によってはトイレの封水がぬるくなり、水温の変化によってバリウムがきれいにはがれる場合があります。
バリウムを取る際の留意点
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バリウムが便器に固着して取れないという理由から、先が鋭利な錐やカッター、金たわしなどを使うのはやめましょう。
これらを使うと便器本体に傷が付き、その部分から劣化が進んでしまいます。便器に少しでも傷が付くと、劣化してひび割れを招き、水漏れや破損といったトラブルにつながります。
ひび割れが起きると新しい便器と交換することになり大きな出費につながります。バリウムを取るときは、便器に傷を付けないよう細心の注意を払った上で、地道に作業を進めることが大切です。
バリウムを詰まらせない方法
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バリウムを詰まらせず、また便器に付着させずに使用するには6つの方法が効果的です。
使用前にトイレットペーパーを敷く
バリウムの服用後に排便をするときは、あらかじめトイレットペーパーを敷き、その上から用を足すのが望ましいでしょう。
ただし、トイレットペーパーを大量に使用することになるため、配管を詰まらせないためにもこまめに流すことを心がけましょう。
使用前にお掃除シートを敷く
トイレに流せるお掃除シートを敷いてから用を足すのもおすすめです。ただし、お掃除シートを大量に使うと、水流や水圧によってきれいに流れないこともあります。
細かくちぎってから用を足すか、半分にちぎったものを広げてから用を足すと、詰まりや付着を予防できます。
こまめに流す
バリウムを含んだ排泄物を流すときは、こまめに流すこともポイントです。バリウムの性質上、便器に固着しやすいため、排便をしたら速やかに流すことを心がけましょう。そうした工夫によって固着や詰まりを防ぐほか、トイレを汚さずに済みます。
下剤を服用する
バリウムを服用したあとの排泄物は、通常の便よりも重くなります。排泄時は硬い便によって体そのものに負荷をかけることにもつながるため、下剤を服用してから排泄するのが望ましいでしょう。
ただし、下剤の服用によって体に影響を及ぼす可能性がある方は次の方法を試してみましょう。
普段よりも多めの水を飲む
下剤を飲むことに抵抗がある方や体質によって下剤を服用できない方は、バリウムを服用したあとに普段よりも水を多く取るよう心がけましょう。
体内に取り込んだ大量の水によって便がやわらかくなり、水に流れやすくこびりつきにくい便となって排出されます。
災害用トイレやオムツを使用する
どうしても便器を汚したくない方は災害用トイレを使用するほか、一時的にオムツを着用するのも効果的です。近年では100円均一でも災害用トイレの取り扱いがあるので、この機会に利用しても良いでしょう。
また、オムツもはきやすいものから、ぱっと見てもわかりにくい薄型のものなど、バリエーションに富んだものが多く販売されています。体調に無理のない範囲で、取り入れやすいものを試してみましょう。
まとめ
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体調が思わしくない方やできるだけ便器を汚さずに用を足したい方は、災害用トイレやオムツの着用を視野に入れるのも方法の一つです。
なお、バリウムの混ざった排泄物によってトイレが詰まってしまったときは、無理に自分で解決しようとするのはやめましょう。そのようなときは1人で抱えず、最寄りの水道業者に相談し、適切な処置を依頼しましょう。