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コラム

水回り

家庭内の排水トラップの種類やお手入れ方法をご紹介

家庭にあるさまざまな水まわりの設備には「排水トラップ」という設備が設置されています。普段の生活では意識することのない設備ですが、実はとても大切な役割を果たしているのです。

しかし排水トラップは定期的に掃除をしなければ、汚れがたまるなどでスムーズに排水ができなくなり、悪臭や排水の逆流などのトラブルが起きることもあります。

そこで今回は、家庭内にある排水トラップの種類や、お手入れ方法について詳しくご紹介します。

排水トラップとは

  • 排水トラップという名前を初めて聞く人もいるでしょう。ここでは排水トラップの役割や仕組みについてご紹介します。

    役割
    排水トラップの役割は「排水項から下水に続く排水管の途中で水をためて、下水との経路を遮断するフタを作る」ことです。トイレの便器内を見ると、常に一定の水がたまっていますよね。このような「フタをする水」のことを「封水」と呼ぶのです。

    トイレだけではなく、すべての水まわり設備に封水がたまる場所があり、下水から上がってくる悪臭や害虫などが家の中に入るのを防ぎます。

    仕組み
    排水トラップは「サイフォン作用」によって水を流します。サイフォン作用とは、排水が流されても折れ曲がって水がたまっている水位が保たれるように働く作用のことです。

    排水口から流れてきた排水がトラップにたどり着いた後に下水へと流れていきますが「サイフォンの原理」でバランスが取られ、古い水が流れていき新しい水がたまります。

    排水の度に水が入れ替わるので、排水トラップ自体もある程度自浄能力を持っていることになるでしょう。

排水トラップの種類

  • 排水トラップにはどのような種類があるのかを、設備ごとに説明します。

    キッチン
    キッチンではシンクの排水口に、さまざまなサイズの排水トラップが設置されています。大きいサイズでは181φ、小さいサイズでは116φのものが主に使われますが、キッチンメーカーの独自規格のサイズもみられます。

    多くの場合「ワントラップ」と呼ばれる太く大きな筒状の排水口にお椀のような形のかぶせ物があるタイプのトラップが採用されています。

    お椀のかぶせ物で排水口を閉じ、その周りを水で満たすことで封水の役割を果たします。排水口に食品カスや固形物を落としてもすぐに流れていかないので回収しやすいのも特徴のひとつです。

    お風呂
    お風呂の排水トラップは主に、ユニットバス独自のトラップやワントラップが採用されています。ユニットバス独自のトラップは、洗い場の床にある排水口についており、浴槽からの排水も合流して下水へと流れる仕組みです。

    排水口のフタを開けるとヘアキャッチャーがあり、その下に排水トラップがあります。すべて工具不要で簡単に取り外すことができるので、掃除が簡単です。ワントラップはユニットバスではない普通のお風呂に多く設置されており、目皿を取り外して掃除ができます。

    トイレ
    トイレは便器自体が排水トラップになっており、排水口の奥で縦に折れ曲がった後に下水へと続いています。封水が常に便器の中に一定量たまることで、下水からの悪臭を防いだり害虫の侵入を防いだりしています。

    トイレはキッチンやお風呂と違ってフタが無いので、大きな固形物を落としてしまってもスルリと排水口の奥に流れていくこともあるので注意が必要ですし、頻繁に使うので汚れやつまりが発生しやすいです。

    手洗い場
    手洗い場の排水トラップは、排水口の奥に設置されています。手洗い場の下にある収納扉を開けると、奥に折れ曲がった排水管が確認できるでしょう。

    この折れ曲がった場所が排水トラップで、アルファベットのSやPに似た形をしていることが多いです。へこんだ部分に水がたまって封水の役割を果たしますが、汚れやつまりがたまりやすい場所でもあります。

排水トラップのトラブル

  • 排水トラップで起こるトラブルにはどのような種類があるのかを紹介します。

    異臭がする
    お風呂場の排水口から異臭がするときは、排水トラップに不具合が起きているおそれがあります。排水トラップが経年劣化などでひび割れなどが起きていると、その隙間から異臭がもれる可能性があります。

    ひび割れや破損など明らかな劣化がある排水トラップは、すぐに交換するようにしましょう。劣化が無いのに異臭がする場合は、排水トラップがずれている可能性もあります。

    一度取り外してから設置しなおしてみると異臭がしなくなることもあるので、試してみてください。

    詰まって水が流れない
    排水トラップの奥には排水管があり、その排水管の中に皮脂や石鹸カスなどがつまってしまい、悪臭を発生させたり水が流れなくなったりすることがあります。

    排水トラップや排水管のつまりを取り除くには、市販のパイプクリーナーで汚れを落とすのがおススメです。軽度のつまりなら解消することができるでしょう。パイプクリーナーを使っても水の流れが改善しない場合は詰まりが悪化している可能性があります。

    分解してしっかりと掃除するか、自分で直すのは難しいと思ったらプロの業者に依頼して直してもらいましょう。

排水トラップのお手入れ方法

  • 排水トラップのお手入れ方法をご紹介します。

    部品を取り外す
    ワントラップやユニットバス特有のトラップなどは工具などを使わなくても簡単に取り外せるものが多いです。排水トラップの形状を確認し、取り外せないか試してみましょう。

    取り外した汚れを落とす
    取り外した部品についている髪の毛やヘドロ汚れなどをきれいに取り除き、ゴミ袋に捨てましょう。取りにくい汚れは使用済みの歯ブラシなどを使うと便利です。

    汚れを取り除いた後は重曹とクエン酸を混ぜたものをスプレーで吹きかけると、ぬめりなど取りにくい汚れもキレイに落としてくれます。

    取り外せない部品も手が届く範囲でキレイにする
    取り外せない排水トラップや、排水トラップを外した排水口も手が届く範囲でブラシやスポンジなどを使いキレイにしましょう。

    また、液体のパイプクリーナーなどを使うと汚れやヌメリをキレイに落としてくれます。可能であれば週に一度程度、定期的に掃除をする習慣をつけるのがおススメです。

まとめ

  • 排水トラップは水まわり設備には欠かすことができない設備で、下水からのニオイや害虫の侵入を防いで快適な暮らしを守ってくれます。

    しかし掃除やお手入れをしないでいると、汚れや小さなゴミがたまって詰まりを起こしてしまい、さまざまなトラブルが起きてしまうかもしれません。

    排水トラップの構造はたくさんの種類があり、自分で修理や掃除をするとなると「素人では手を出せないのではないか」と身構えてしまう人もいるでしょう。

    しかしパイプクリーナーを使うなどであれば簡単に掃除が可能ですし、工具を使わずに簡単に分解できる排水トラップもあります。

    こまめに掃除やお手入れができるように、排水トラップそれぞれのお手入れ方法を覚えておき、定期的に実施してトラブルを防ぎましょう。

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